【母乳育児】私が飲んだせき止め『デキストロメトルファン』は赤ちゃんに影響しますか?

ある日、1人の女性が『お薬相談室』に来ました。

 

ゴホっゴホっゴブッ!ハアハア・・・咳が止まらない。
くっくるしい・・・。

 

でも、授乳中なので咳止めのんでいいのかわからなくて。。。


 

咳止めにに使われる薬に『デキストロメトルファン(メジコン)』があります。
おとなは1日に最大で120mgまで飲むお薬です。

 

ママの体重を50kg、赤ちゃんの体重を8kgとすると赤ちゃんは母乳から、「1日に0.01mg」飲むことになります。


 

でも、その量って赤ちゃんに影響ないんですか?


 

安心してください。大丈夫です!

 

8kgの赤ちゃんが直接『デキストロメトルファン』を飲んだときの1日の安全量は6mgです!
母乳からはその600分の1しか飲んでないので赤ちゃんには影響ないです。

 

ママは気にせずに、咳止め「デキストロメトルファン」を飲んでください♪

 

詳しくはこのあとに解説します(^^)/


 

 

授乳中のママは『せき止め』をのんでも大丈夫です

デキストロメトルファンは授乳中でもに安全に飲めるお薬です。

女性の咳001イラスト

咳を我慢して母乳をあげるママつらそう。見ていると何とかしてあげたい気持ちになりますね。

でも『デキストロメトルファン(メジコン)』なら大丈夫です♪

 

さっそく安全性をかくにんしましょう。

 

実は『デキストロメトルファン』は赤ちゃんでも飲めるお薬なんです!

『デキストロメトルファン』は市販薬でも販売されているくすりです。
その用法用量を見てみると「生後3か月から服用できます」と書いてあります。
生後3か月の赤ちゃんに対して直接使える薬として認められていますので、母乳からの摂取するされる量なら赤ちゃんに影響はないでしょう。

 

とはいえ、ママの咳止めを健康な赤ちゃんが飲むのは心配ですよね。

疑問女性003イラスト

ママの母乳から赤ちゃんはどれくらい飲んじゃうんだろう?って考えちゃいなすよね。ママの体重50kg、赤ちゃんの体重8kgとして、さっそく計算してみましょう!!

 

『デキストロメトルファン』は脂溶性のため、お薬が母乳へ入る可能性があるんです。

 

では、実際に赤ちゃんはどれくらいの薬を母乳から摂取しているかと言うと、ママののんだ薬の0.05%になります。
『デキストロメトルファン』を通常大人は1日最大で120㎎使用しますので、その0.05%、つまり赤ちゃんはお薬を0.01㎎(=120mg/50kg×0.05%×8kg)を母乳から摂取することになります。

 

 

この量多いんでしょうか、少ないんでしょうか?先ほどの市販薬の使用量を確認してみましょう。

 

キッズバファリンせきどめシロップS
【成分】(60ml中)
デキストロメトルファン臭化水素酸塩化水和物・・・20㎎
【用法・用量】

年齢 1回量 1日回数(最大)
生後3か月から 3ml 6回

 

ちょっと計算してみますね。

 

『デキストロメトルファン』は60ml中に20㎎入っていいるので、1mlでは0.33㎎(=20mg /60ml)ですね。生後3か月の赤ちゃんは1日最大18ml(=1回量3ml×1日6回)lまで服用OKなので、『デキストロメトルファン』は6㎎(=0.33mg/ml×18ml)まで飲んでOKとなるわけです。

 

この数値、母乳中からの摂取量(0.01㎎)の600倍ですね。このことから『デキストロメトルファン』は授乳中に使っても安心で安全性の高いくすりといえそうですね。

 

 

ママののんだ薬の0.05%になります。

RID(relative infant dose)という数値を使います。これはママの飲んだ薬を赤ちゃんがどれくらい母乳から摂取するかを比較する数値となります。

 

『デキストロメトルファン』のデータを載せます。この記事は以下のデータをもとに記事ってます。
薬品名 デキストロメトルファン
分子量 370
投与経路 内服
分配係数 16.98[脂溶性]
酸塩基性 弱塩基性 (pKa 7.97)
たんぱく質結合率 不明
代謝活性 なし
半減期 3.6時間
M/P比 2.19[参考値]
RID 0.05%

半減期:飲んだ薬が半分の量になるまでにかかる時間のことです。身体への影響の長さをみるデータとなります。
M/P比(milk/plasma ratio):薬の母乳への移行を比較するための指標です。数値が大きいほど母乳移行率が大きいことになります。
RID(relative infant dose):授乳による乳児の摂取率の指標です。これはママの飲んだ薬を赤ちゃんがどれくらい母乳から摂取するかを比較する数値です。やはり数値が大きいほど赤っちゃんへの影響が大きくなります。RIDは10%以下で安全といわれています。

 

『コデイン・ジヒドロコデイン』は授乳中のママは避けるべき!

もう一つの咳止め『コデイン・ジヒドロコデイン』は注意して!!

注意マーク004イラスト

咳止めとして有名な薬に『コデイン・ジヒドロコデイン』があります。

 

『コデイン』は医師の処方がないと使用できませんが、『ジヒドロコデイン』はドラックストアなどでも入手できます。

 

この『コデイン・ジヒドロコデイン』は授乳中のママは避けてください。
母乳への移行があり、赤ちゃんの母乳かからの摂取率がもともと高い薬です。

 

さらに特定の酵素をもつヒトではこの摂取率(RID)が大幅に上昇します。

 

 

『コデイン・ジヒドロコデイン』の副作用はたくさんありますが、授乳中の赤ちゃんには、特に「眠気」「呼吸抑制」「哺乳(おっぱいを飲むこと)抑制」があらわれることがあります。

 

残念なことに『コデイン』服用したママの母乳を飲んだ赤ちゃんが死亡したとの報告もあります(*1)
(*1)Koren,G.et al.,Lancel. 368,704(2006)

副作用はたくさんあります

『コデイン』は代謝されるとモルヒネになります。麻薬ですね。そのため副作用は麻薬と同じです。『ジヒドロコデイン』も服用した量の10%程がモルヒネ類似物になるため麻薬と同じ副作用がでます。

【参考までに】特定の酵素をもつヒト

ヒトの中にはコデインをモルヒネに早く代謝する酵素を持つ人がいます。このヒトが持つ酵素のことを”ウルトララピッドメタボライザー”と呼びます。この酵素を持つママの赤ちゃんは、ママが服用したコデインの9~35%もの量を母乳から摂取するというデータがあります。

コデインのデータ載せときますので参考にしてください。
薬品名 コデインリン酸塩水和物
分子量 406.37
投与経路 内服
分配係数 該当資料なし
酸塩基性 該当資料なし
たんぱく質結合率 7%
代謝活性 あり(モルヒネ)
半減期 2.9時間
M/P比 1.3~2.5
RID 0.6~8.1%(9~35%)

まとめ

女性と赤ちゃん安心感005イラスト

咳ってやっぱり苦しですよね。胸は痛くなるし、夜眠れないし・・・。一刻も早く咳を止めたいですよね。でも、咳止めの中には安全性の高いくすりもあれば、危険性があるくすりどちらもあります。ドラックストアで買える薬だけに、市販薬を買うときには薬剤師に必ず『授乳中です!』って伝えてくださいね。妊婦ママとは違って授乳中のママは気づいてもらえないことがあるからね。


 

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