妊娠中に『解熱鎮痛剤』を飲んでいいか迷っているママへ

ある日、1人の女性が『お薬相談室』に来ました。

 

熱があって頭や関節がいたむんです。
妊娠中がらか我慢していたんですが、もう限界かなと。。。。
解熱剤のんだらお腹の赤ちゃんに影響ありますか?


 

ガマンしなくてもいいですよ。
解熱鎮痛剤(げねつちんつうざい)「アセトアミノフェン」は妊娠中に使える安全なお薬です。


 

 

『妊娠中でも安心して使える解熱鎮痛剤『アセトアミノフェン』を解説

これ以上、我慢しないで!

妊婦頭痛画像

私の妻もそうでしたが、妊娠中のママはものすごく我慢強いですよね。男子としてほんと頭が下がります<(_ _)>

 

実は、あなたも「頭痛ぐらい、我慢しなくちゃ!」とおもってませんか?

 

「だって薬をのんだら、おなかの赤ちゃんに悪い影響が出るかもしれなし、ふつー心配でしょ!」

 

わかります!ママにとっておなかの赤ちゃんが一番大切!だからそう考えるの当然ですよね。

 

でも、そんな我慢強いあなたでもほんとーにつらい頭痛きつーい痛みがある時は笑顔でお腹の赤ちゃんと会話できませんよね。
そんなときは解熱鎮痛剤『アセトアミノフェン』を使っても大丈夫です!

 

妊娠時「痛み止め」 処方箋ランキング1位は『アセトアミノフェン』

アセトアミノフェンは妊婦の発熱や痛みに安全に使用できるくすりランキング1位なんです。昔から多くの妊婦さんに使われています。

 

特に使用頻度が高いので、アセトアミノフェンと形態異常(催奇形成)の関係について大規模な調査が行われています。その調査では98%の赤ちゃんは健康という結果になりました。

あれ?残り2%の赤ちゃんはどうなったんだろう!?

疑問を感じる女性画像

そうなんですね。この『2%』をどう考えるかが今回の一番難しいい点になります。

 

次に、この『2%』について考えてみましょう。

 

赤ちゃんとベースラインリスク

ベースラインリスクってなに!?

健康なカップル画像

残念なことなんですが、アセトアミノフェンを使っていない健康なカップルの赤ちゃんでも約 2~3%になんらかの先天性の形態異常が認 められています。

 

さらに成長してから発見される内臓異常も含めると,少なくとも 5%程度 の赤ちゃんになんらかの先天的な異常がでてしまいます。

 

このように「薬を使っていないカップル」でも2~5%の頻度でおきてしまう形態異常のことを「ベースラインリスク」とよびます。つまり「妊婦出産」にはもともと2~5%の先天的なリスクがあるんですね。

 

このベースラインリスクから考えると、アセトアミノフェンを服用していた人の赤ちゃんに『2%』の形態異常が出てしまうことは、アセトアミノフェンとは関係なさそうという結論になります。

 

アセトアミノフェンは飲んでも飲まなくてもおなかの赤ちゃんへの影響は関係ないんだから、だったらママの痛みをとった方が有益でしょ、というわけですね。

 

おなかの赤ちゃんとつながっている「へその緒」。薬の通りやすさが安全性の目安になります。|胎盤移行性

おなかの赤ちゃんに「とどかない薬」が安全なくすりです。

普通は痛みの素に届く薬が効く薬ですよね。
でも妊婦期のママが使う薬の安全性を考えるときは、ママが飲んだ薬がどれくらいおなかの赤ちゃんに「届かない」かを考える必要があります。この薬の「届きやすさ・にくさ」を『胎盤移行性』といいます。

 

胎盤移行性は薬が水に溶けやすい(水溶性)か脂に溶けやすい(脂溶性)かが大変重要になります。アセトアミノフェンは「水溶性」のため胎盤を通過しにくい薬です。

 

『アセトアミノフェン』のデータを載せますので、安全性の目安にしてください。
分子量 151
投与経路 内服
分配係数 0.8[水溶性]
酸塩基性 データなし
たんぱく質結合率 8~40%
代謝活性 なし
半減期 2.3時間

[半減期」とは、飲んだ薬が半分の量になるまでにかかる時間のことです。身体への影響の長さをみるデータとなります。

【参考】胎盤移行にかかわる要素

分子量のおおきさ 300~600以下は容易に通過し、1,000以上は通過しにくい。
脂溶性 一般的に脂溶性が高いものが通過しやすい。600以上の分子量のくすりは、脂溶性の程度によって通過量が決定される。
イオン化の程度 脂溶性の高い分子型が胎盤を通過する。
たんぱく結合率 血液の中にある「たんぱく質」と「くすり」が結合しやすいほど通過しにくい。
濃度勾配 母親の血液の中にある薬の量が多いほど胎盤を通過しやすい。
トランスポーター P糖蛋白が脂溶性物質の輸送を抑制している。

妊婦時に「痛い」といえる安心感。

マタニティーライフを安心して過ごす大切さ

希望に満ちた妊婦画像

アセトアミノフェンが100%安全というわけではないのですが、アセトアミノフェンは「痛み止め」として安心して利用できる薬の1つです。ものすごい痛いのを我慢する必要はないです。

 

あなたは素直に「痛い」といえるんですね。それだけでも心が楽になりませんか。痛みがなければもっとお腹の赤ちゃんとの会話を楽しめるとおもいます。ママが楽しい日々を過ごすっておなかの赤ちゃんにとって大切なことだと僕は思うんです(^ ^)

 

まとめ

妊婦期のアセトアミノフェン服用の安全性、有効性とリスクについて説明してきました。あなたが「痛み止め」を利用することへ「ためらい」を感じていたなら、少しは安心できたでしょうか。もしそうでしたら嬉しいです。以下の注意点に気を付けてマタニティーライフをも~~っと楽しんでください!!

いままでのお話は、あくまでアセトアミノフェンの使用量が適正であり、短期間の使用を前提としています。大量かつ長期使用では先天性異常が生じたとする報告があります。

大規模な調査

絶対過敏期にアセトアミノフェンを服用した1236例中1213例は奇形のない健常児でしたが、23例は異常が認められました。異常発生率が2%程度であれば薬剤の影響とはいえず、自然発生率の範囲内のリスク(ベースラインリスク)と考えます。

 

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