妊娠中に『便秘薬・下剤』を飲んでいいか迷っているママへ

ある日、1人の女性が『お薬相談室』に来ました。

 

便秘になっちゃって。。。
妊娠中だから仕方ないって先生に言われたんですけど、この「便秘薬」は赤ちゃんに影響ないの?


 

そうなんです。
妊娠中は女性ホルモンの影響で便秘になりやすいんです!
そのあたり詳しく説明しますね。
あっ、妊娠中でも「ピコスルファート(ラキソベロン)」や「酸化マグネシウム(マグミット)」は安心して使える便秘薬ですよ。


 

 

妊娠中の便秘薬『酸化マグネシウム』と『ピコスルファート』を解説

食物繊維の多い食事、軽い運動は気にしていても便秘になってしまう。

妊婦便秘疑問イラスト

便秘を放置するのは腸内環境の悪化・体調不良・妊婦中のストレス増加など悪い影響がでますので本当によくないです。安全性の高い薬でママの便秘を改善しましょう!!

 

妊婦時に使用する薬は2種類あります。

  • 酸化マグネシウム
  • ピコスルファート

どちらも使用頻度の高い薬です。さっそく気になるくすりの安全性を確かめてみましょう。

『酸化マグネシウム』と『ピコスルファート』どちらも子宮内環境を変えないから安全なんです。
『酸化マグネシウム』はウンチを柔らかくしてくれるお薬です。

妊婦便秘その1イラスト

酸化マグネシウムは腸で水分を吸収し便を適度な柔らかさにします。さらに便が膨張するので腸が刺激されウンチがしたくなります。

 

ではおなかの赤ちゃんへの安全性はどうでしょうか。

 

酸化マグネシウム製剤マグミット錠の薬の取説によると、”酸化マグネシウムは水にほとんど溶けず、胃腸から15%吸収される”となっています。
つまり、ママが飲んだお薬は85%が腸に移動し便秘改善の働きをしますが、15%ほどは血液の中に入ることになります。

 

大人の方が便秘に対して飲む酸化マグネシウム量が多いほうで1日3,000㎎程度です。体重30㎏のヒトであれば体重1㎏あたり100㎎(100㎎/kg)になります。

 

下記の実験結果が薬の説明書に書いてあります。。

マグネシウムの血液中の変化を調べたものですが、「実験用のネズミに酸化マグネシウム(100㎎/kg)を飲ませたところ血液の中のマグネシウム量は変わらなかった」とのことです。

これは『適切な量の酸化マグネシウム』なら体内環境(子宮内の環境)に影響がないということになります。つまり、おなかの赤ちゃんには影響しないということですね。

 

『ピコスルファート』はおなかを刺激して腸の動きを活発にするお薬です。

ピコスルファートは大腸を刺激して蠕動運動(腸の運動)活発にしてくれます。また大腸の水分調整もするくすりです。胃や腸では吸収されませんので、血液には入りません。ママの血液に薬が入らないので、当然おなかの赤ちゃんに薬は届きませんよね!
ピコスルファートも妊婦中に安心して使える薬です。

 

【参考まで】

酸化マグネシウムもピコスルファートも今まで『形態異常(奇形)』などの報告はありませんので安心してください。

酸化マグネシウム・ピコスルファートのデータ載せますので参考にしてください。
薬品名 酸化マグネシウム ピコスルファート
分子量 40.3 499.4
投与経路 内服 内服
分配係数 添付文書記載なし 添付文書記載なし
酸塩基性 塩基性 酸性(pKa 5.50)
たんぱく質結合率 30% 添付文書記載なし
代謝活性 なし あり
半減期 添付文書記載なし 添付文書記載なし

妊娠を維持するためのホルモン『プロゲステロン』が便秘の原因です。

『プロゲステロン』が便秘の原因なんです。

妊婦便秘その3イラスト

妊娠中は『プロゲステロン』という女性ホルモンがずーっと分泌し続けます。この女性ホルモンは「ママのおなかプカプカして気持ちいい!まだママのおなかの中にいたよ。」という赤ちゃんからのメッセージ。羊水をためて、流産しないように妊娠を維持してくれている大切なホルモンです。

 

一方で、残念ながら『プロゲステロン』は大腸の蠕動運動を抑えてしまう作用もあるんです。だから、プロゲステロンの分泌がつづく間は便秘しやすくなっちゃうですね。さらに、羊水を貯めようとする働きもあるため腸内の水分が減って便が硬くなってしまします。

 

まとめ

妊娠中に便秘を感じた人は68%(3人に2人)もいるそうです。『便秘でおなかが張って苦しいです。薬を使っても大丈夫ですか?』という不安をもつママが68%もいるわけですね。

 

先ほども書きましたが、妊娠と便秘は密接な関係があります。そう考えると、残念ですが妊娠中の便秘は避けられないのかもしれませんね・・・。

 

であれば、今回解説した安全性の高い『酸化マグネシウム』と『ピコスルファート』を上手に使って便秘を改善しましょう。あなたのマタニティーライフが快適になりますように。

 

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