【母乳育児】私が飲んだ「痛み止め」は赤ちゃんに影響しますか?

ある日、1人の女性が『お薬相談室』に来ました。

 

 

頭が痛くてロキソプロフェン(ロキソニン)をのもうとしたんです。

 

そしたら母親に『授乳中なんだから、頭痛くらいで痛み止めのんだらダメでしょ!ガマンガマン』って怒られたんです。

 

でも、痛みがひどいんです。本当にガマンしなくちゃいけないんですか?


 

ガマンしないでロキソプロフェン飲んじゃってください。
そして気分をスッキリさせて子育て頑張ってください♪

 

痛み止め『ロキソプロフェン(ロキソニン)』は
おとなは1日に最大で360mgまで飲むことができるお薬です。

 

例えば、ママの体重を50kg、赤ちゃんの体重を8kgとすると赤ちゃんは母乳から、「1日に最大0.06mg」飲むことになります。


 

でも、その量って赤ちゃんに影響ないんですか?


 

安心してください。大丈夫です!

 

ママの飲んだロキソニンはほとんど母乳に入りません!
(理論的))計算上では0.06mgとなりましたが、ロキソプロフェンがものすごく吸収が悪いので、赤ちゃんが母乳からロキソプロフェンを飲んでも体内には入らず、ウンチとなってでていきます。

 

だから赤ちゃんには影響ないです。

 

ママは気にせずに、痛み止めのロキソプロフェンを飲んでください♪

 

詳しくはこのあとに解説します(^^)/


 

 

授乳中のママは『痛み止め』をのんでも大丈夫です

授乳中のロキソニンは安全性が高い!

授乳中のママが気になるのは「自分が飲んだ薬が赤ちゃんに悪い影響を与えるんじゃないか」ってこと。安心してください。安全度の目安があるんです。

  • 身体から短期間でなくなる薬
  • 母乳への移行しにくい薬

ロキソプロフェン(ロキソニン)は上の条件をどちらも満たす薬のため、授乳中のママでも安心して飲める薬といえます。

 

ロキソプロフェンを飲んでいても安心して授乳してください。

 

ロキソプロフェンは身体から短期間でなくなる薬

身体の中から薬がなくなる(消失)は「半減期」という数値で判定します。ロキソプロフェンの半減期は1.2時間。つまり、ママが飲んだロキソプロフェンは1.2時間ごとに半分ずつ身体がらなくなり、6時間後にはほとんど体には残っていません。ロキソプロフェンの服用時間と赤ちゃんへの授乳時間などを調節できればさらに安全性が高くなりますね。。

 

さらに、ロキソプロフェン母乳への移行しにくい薬

母乳はママの血液からつくられます。その血液の中にくすりが入っていると母乳に混ざることがあります。これが薬の母乳への移行ですね。でも安心してください。ロキソプロフェンはほとんど母乳には移行しません。理由は2つ。

  1. ロキソプロフェンは水溶性だから
  2. ロキソプロフェンはタンパク質とくっついて大きなかたまりになるから

ここからはちょっと難しくなります。ごめんなさい(>_<)

 

「そんなもんなんだぁ~」くらいで読み進めてください。

 

母乳はママの血液を脂が包み込み、乳脂肪として乳腺に分泌されます。このため血液から乳腺に移るには『脂(油)』の性質が必要になります。

 

ロキソプロフェンは「水溶性」だからもともと母乳への移行は難しいんです。

 

加えて、ロキソプロフェンはママの血液の中のタンパク質とくっついて大きなかたまりとなって移動しています。『大きなかたまり』はママの血管からでられなくなるので、母乳への移行をふせいでいます。

ロキソプロフェンは「水溶性」
水溶性と脂溶性を表す数値として『分配係数』があります。ロキソプロフェンの分配係数は「0.82」で水溶性です。(「1」より小さいほど水に溶けやすくなる。)

タンパク質とくっついて大きなかたまり
この数値は『蛋白結合率』といいます。数値がおおきいほどタンパク質とくっつきやすっくなります。
ロキソプロフェンの蛋白結合率97.0%です。

まだまだあるロキソプロフェンが安全性が高い薬であること。

実はロキソプロフェンは吸収の悪い薬なんです。

 

このため吸収をよくするため、わざわざ形を変えています。これをプロドラック化というんです。

 

ママが飲んだロキソプロフェンは母乳中では「吸収の悪い形のロキソプロフェン」になっています。

 

だから、赤ちゃんが母乳の中の「吸収の悪い形」のロキソプロフェンを飲んでもほとんど、赤ちゃんは吸収しません。

 

ぶっちゃけ、成分はうんちからでちゃいます。

 

とはいえ、ママの痛み止めを健康な赤ちゃんが飲むのは心配ですよね。

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ママの母乳から赤ちゃんはどれくらい飲んじゃうんだろう?って考えちゃいなすよね。さっそく計算してみましょう!!

 

ママの体重50kg、赤ちゃんの体重8kgとして計算しますね。

 

『ロキソプロフェン』は水溶性のため、お薬が母乳へ入る可能性は低いです。

 

では、実際に赤ちゃんはどれくらいの薬を母乳から摂取しているかと言うと、ママののんだ薬の0.11%になります。

 

『ロキソプロフェン』を通常大人は1日最大で360㎎使用しますので、その0.11%、つまり赤ちゃんはお薬を0.06㎎(=360mg/50kg×0.11%×8kg)を母乳から摂取することになります。

 

さらに、『母乳中のロキソプロフェンは吸収が悪い形』になっていますので、実際はもっと少ないです(ほぼゼロだとおもいます。)。

 

実際の実験で、『ロキソニンは母乳に入っていなかった』との報告もあります。

 

参考にしてください。

ちょっと難しいことを書きますね(ごめんなさい)。興味があれば参考にしてください。

 

薬の母乳への移行を比較するための指標があります。これを『M/P比(milk/plasma ratio)』といいます。数値が大きいほど母乳移行率が大きいことになります。
もう一つ授乳による乳児の摂取率の指標があります。『RID(relative infant dose)』といいます。これはママの飲んだ薬を赤ちゃんがどれくらい母乳から摂取するかを比較する数値です。やはり数値が大きいほど赤っちゃんへの影響が大きくなります。RIDは10%以下で安全といわれています。

 

以下に、『ロキソプロフェン』のデータ載せときますので参考にしてください。

この記事は下のデータをもとに書いています。

分子量 304
投与経路 内服
分配係数 0.82[水溶性]
酸塩基性 弱酸性(pKa 4.2)
たんぱく質結合率 97.0%
代謝活性 あり(プロドラック)
半減期 1.2時間
M/P比 0.012
RID 0.11%

 

 

まとめ

授乳中の痛みは我慢しなくでも大丈夫!ロキソプロフェンは赤ちゃんへの影響がない薬です。安心してくださいね。でも、『ロキソプロフェン(ロキソニン)』はドラックストアでも簡単に購入できるお薬です。安全なくすりですが購入するときは一言「授乳中です!』と薬剤師につたえてください。お願いしますね。

 

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