【母乳育児】私が飲んだ「帯状疱疹の薬」は赤ちゃんに影響しますか?

ある日、1人の女性が『お薬相談室』に来ました。

 

育児ストレスかなぁ?
『帯状疱疹』になっちゃって。。。
痛いんで、以前にのんだことがあるバルトレックスを飲みたいんですけど、授乳中だから迷ってるんです。
ぬり薬でガマンかぁ?!


 

内服でも大丈夫ですよ!ガマンしないで飲んじゃってください。

 

例えば、ママの体重を50kg、赤ちゃんの体重を8kgとすると、帯状疱疹の薬「バラシクロビル(バルトレックス)」を赤ちゃんは母乳から、「1日に最大22.6mg」飲むことになります。


 

でも、その量って赤ちゃんに影響ないんですか?


 

安心してください。大丈夫です!

 

バラシクロビルは赤ちゃんに直接使うことができるお薬なんです。

 

8kgの赤ちゃんが直接『バラシクロビル』を飲んだときの1日の安全量は200mgです!
母乳からはその約100分の1しか飲んでないので赤ちゃんには影響ないです。

 

ママは気にせず「バラシクロビル(バルトレックス)」を飲んでください。
ガマンする必要はないですよ♪

 

詳しくはこのあとに解説します(^^)/


 

 

授乳中のママは『帯状疱疹の薬』をのんでも大丈夫です

バラシクロビルは授乳中でも使える安全な薬です

帯状疱疹痛女性

帯状疱疹って痛いですよね。服がすれるたびに『痛っ』って感じです。

 

放っておくと後遺症として「神経痛」になりますし、皮膚に「ボコボコ」と跡が残ります。

 

だから早めに治療したほうがいいんですが・・・やっぱり授乳中だと薬を飲むの気になりますよね。

 

でも安心してください。母乳をあげながら帯状疱疹を治療できますよ。

 

『バラシクロビル』は授乳中でも使える帯状疱疹治療薬です!!

 

さっそく治療薬の安全性を確認していきましょう!!

 

赤ちゃんは母乳からどれくらいの『バラシクロビル』を飲んじゃうの?

疑問女性003

ママの飲んだ『バラシクロビル』を赤ちゃんがどれくらい母乳から飲んじゃうか?さっそく計算してみましょう。ママの体重50kg、赤ちゃんの体重8kgとして計算しますね。

 

ママが飲んだ薬が母乳にはいり、その母乳を赤ちゃが飲む割合は4.7%になります。

 

ママの帯状疱疹の治療のために使う『バラシクロビル』は1日最高3000㎎ですから、赤ちゃんは22.6㎎(=3000mg/50kg×4.7%×8kg)を母乳から摂取することになります。

 

この量が多いか少ないかは『バラシクロビル』の小児の使用量計算して確認してみましょう。

 

バラシクロビル(バルトレックス)の子どもでの使用量

体重1㎏あたり1回使用量 1日回数(最大) 新生児の平均体重
25㎎ 3回 2.5~3.5㎏

 

ちょっと計算してみますね。
0歳児の平均体重は2.5~3.5㎏ですので187.5~262.5㎎(=25mg×3回×2.5~3.5㎏)まで安全に使用できることになってます(*1)

 

つまりバラシクロビルは、新生児でも約200㎎くらいは飲めるんですね。

 

この量に対して8kgの赤ちゃんが先ほどの母乳からの摂取量した22.6㎎はとても少ないですね。
(*1)『バルトレックス顆粒』添付文書より

体の中に吸収されにくい薬

口から飲んだ薬がどれくらい体に吸収され、薬として利用されているかを比較する指標に『バイオアベイラビリティ』という数値があります。『バラシクロビル』のバイオアベイラビリティは54.2%です。飲んだ薬の半分強程度が利用されていることになります。

 

実際はもっと少ない量になります。

嬉しい驚きの女性001

実はバラシクロビルは体内に吸収されやすいように加工されている薬(プロドラック)なんです。だから体内に入ると『アシクロビル』という本当の薬に変化します。これが帯状疱疹ウィルスをやっつけてくれるんですね。この『アシクロビル』はバラシクロビルよりもさらに吸収がわるい!

飲んだ薬の15~30%程度しか吸収されないですよ。
ちょっと整理しますね。

 

  1. ママの飲んだ『バラシクロビル』は吸収されると『アシクロビル』になります。
  2. 『アシクロビル』はママの体内から母乳に22.6㎎はいります。
  3. 赤ちゃんは母乳から『アシクロビル』を22.6㎎摂取します。
  4. そのうち最高で30%が赤ちゃんの体内に吸収されるわけです。1日最大量にして6.7㎎(=22.6㎎×30%)!

新生児が安全に使用できる量の28分の1の量なら『バラシクロビル』は授乳に対いて安全な薬といえます。

 

バラシクロビル・アシクロビルのデータ載せますので参考にしてください。
薬品名 バラシクロビル アシクロビル
分子量 360.80 225
投与経路 内服 (利用率54%) 内服 (利用率15~30%)
分配係数 0.00467「[水溶性] 0.06[水溶性]
酸塩基性 塩基性 (pKa 7.47) 両性 (pKa1 2.27、pKa2 9.25)
たんぱく質結合率 9~33% 9~33%
代謝活性 あり なし
半減期 2.96時間 2.4時間
M/P 比 0.6~4.1 0.6~4.1
RID 4.7% 1.09~1.53%

半減期:飲んだ薬が半分の量になるまでにかかる時間のことです。身体への影響の長さをみるデータとなります。
M/P比(milk/plasma ratio):薬の母乳への移行を比較するための指標です。数値が大きいほど母乳移行率が大きいことになります。
RID(relative infant dose):授乳による乳児の摂取率の指標です。これはママの飲んだ薬を赤ちゃんがどれくらい母乳から摂取するかを比較する数値です。やはり数値が大きいほど赤っちゃんへの影響が大きくなります。RIDは10%以下で安全といわれています。

 

まとめ

バラシクロビルは体内に吸収されにくい薬です。赤ちゃんの母乳からの『バラシクロビル』の摂取量は安全とされている量でしたね。また、『バラシクロビル』を使っているママの母乳を飲んだ赤ちゃんに何らかの影響が出たという報告はないということも安心できますね。

 

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