良質な睡眠が感情問題を解決する

木漏れ日の新緑

こんにちは『まっさん』です。
あなたは小学生のベストな睡眠時間ってどれくらい だと思いますか? 
 
厚生労働省が4~5歳児を対象に行った調査では睡眠時間は約10時間程度だそうです*1
まあ、睡眠時間は量だけが重要ではないんですが、睡眠時間があまりに少ないは場合は子どもの成長に悪い影響があることはわかっっています。
 
一方で発達障害をもつ子供の場合、睡眠問題はとても重大な問題なんです。睡眠問題で悩む発達障害の子どもは多いです。
 
彼ら/彼女らの睡眠問題は脳の中の睡眠物質が影響している可能性が高いことがわかってきています。つまり彼ら/彼女らの睡眠問題は「生理的な」睡眠問題です。なのに、周りの人からは「本人の生活習慣が悪い」とか「親が早く寝かせないから」という生活態度や親のしつけ問題にすりかえられているようにも思えます。
 
また、睡眠不足のため認知や感情の調節機能がうまくいかないこともあります。このことがさらに彼ら/彼女らに対して「負の感情」を増幅しているようです。
 
最近は発達障害の睡眠問題を解決できるかもしれない物質メラトニンが話題になっていますよね。日本ではメラトニン用作用を促進する薬「ロゼレム(商品名)」が医薬品登録されています。多くの家族が待ち望んでいると思いますが。。。非常に残念なことにまだ子供への適応はないです。メラトニンと子供たちの睡眠についても触れています。
 
今回は「睡眠を改善することで発達障害の感情コントロールが改善する」についてつらつら書いてあります。

 

子どもの睡眠は改善できる

子どもの睡眠時間の問題は2つの要素があります。

  • 睡眠不足や夜型生活などの睡眠習慣の問題
  • 睡眠と覚醒に障害がある睡眠障害

1つ目の睡眠習慣の問題は必要な睡眠時間の確保が難しかったり、朝型生活・夜型生活など親のライフスタイルが関係するため生活習慣の見直しが必要となります。2つ目の睡眠・覚醒に問題がある睡眠障害は病気のため専門家の介入による治療が必要です。
 
子のもが日中に強い眠気を訴える場合や寝起きが極端に悪い。。。ひどいときには起きていること(覚醒)が維持できない場合は何らかの睡眠障害があります。 
 
子どものの睡眠障害を調査*2したものがあります。その調査によると、子どもの25%程度が睡眠不足の状態という結果になりました。発達障害の子どもではこの割合がさらに高くなります。
特に、自閉症スペクトラム症(以下、ASD)や注意欠如・多動症(以下、ADHD)の子どもでは50~80%の人が睡眠ついて苦しんでいます。

 

睡眠問題を解決すると行動が改善する

ASD/ADHDの子どもたちの睡眠を改善する方法は薬の治療がメインになります。原因によっては外科的治療も有効な場合がありますが、まずはASD/ADHDの睡眠問題が生じる流れについてちょっと確認してみましょう。

 

睡眠不足は不登校の原因になっている

パパママなら経験したことがあると思いますが。。。ASD/ADHDの子どもたちの睡眠問題で特に多いのが「就寝または起床問題」ですね。
 
ASD/ADHDの子どもたちの行動の1つに「就床(しゅうしょう)抵抗」というのがあります。簡単に言うと「まだ寝たくない」ということなんですが、なかなか難しい問題です。。。就床抵抗の最大の影響は「寝る時間が不規則になる」とうことです。
これは一般的な不眠症でも起こることです。
入眠のタイミングが適切でないと、

  • 入眠までに時間がかかる
  • 中途覚醒の頻度が多くなる
  • 熟眠不足のため十分な休養がとれない

などがおきやすくなります。
このような睡眠不足が原因で、今度は「起床」に問題が生じます。

  • 十分な睡眠量がないため朝起きれない。。。
  • 日中の強い眠気でつらい。。。
  • 疲れがひどくて動けない。。。

などの症状がでるため、ASD/ADHDの子どもたちにとっては日常の生活がきわめて苦痛となります。このことがきっかけで「不登校」「昼夜逆転の生活」が生じます。パパママ自身も経験していると思いますが寝不足はつらいですよね。。。
 
さて、ASD/ADHDの子どもたちの就床抵抗は何が原因なんでしょうね。。。?
実はわかってないんです。
よくいわれているのが、

  • うつや不安などの心的ストレス
  • 社会的コミュニケーション不足
  • 体内時計の調節障害
  • 睡眠へのこだわり

ですが、はっきりしたことはまだわかりません。

 

体内時計の調整で『睡眠問題』を解決

睡眠問題の原因ははっきりしないと書きましたが、原因の可能性が高いものがあります。それは「体内時計の調整障害」です。ASDの子どもたちを対象に調査したところ、
18.1%の子どもたちに
「徐々に睡眠時間が遅くなる」
または
「1日の睡眠と覚醒のリズムの調整が困難である」
ことがわかりました。
この症状に深く関連しているホルモンに
「コルチゾール(ステロイドの1つ)」
「メラトニン(昼夜のリズムを同調するホルモン)」
があります。
そこでASDの子どもたちの「メラトニン」血液中の濃度を調べたところ、「夜間」のメラトニン分泌量が低下していることを発見したんです。さらに驚きなのがメラトニンの昼と夜の分泌サイクルが通常と真逆になっていました。つまり、ASDの子どもたちのメラトニン分泌サイクルと生活リズム(昼夜逆転)が同じだったんですね。
 
さっそく、ASDの子どもたちに「メラトニン」を投与してみたところ、見事にASDの子どもたちの不眠症を改善できました((Andersen I M, et al:Melatonin for insomnia in children with autism spectrum disorders. J Child Neurol 23:482-485, 2008.))。

睡眠の質を改善すると感情のコントロールにもいい影響がある

一般的なことですが、睡眠不足は日中の強い眠気、注意力や集中力の低下、意欲(やる気)の減退、ストレス耐性の減少など身体的にも精神的にも悪い影響があります。大人に限らず子どもにもこの点は当てはまります。パパママは子どもの睡眠時間には細心の注意をしたほうがよさそうです。
 
こんな実験データがあります。

3歳半まで10時間未満の睡眠時間の子どもは、その後の睡眠時間にかかわらず、10時間以上の睡眠時間をとっていた子どもに比べ、認知機能が2.1~3.1倍低かった。

ひらたく言いますと、3歳半くらいの子どもが10時間に満たない睡眠をつづけていると、物事の理解や判断に問題が生じる可能性があります。この機能の低下は、その後の睡眠時間では回復できないため取り返しがつきません。だから3歳半までの睡眠時間は10時間以上にしましょうといことです。
 
また、子どもの睡眠不足はの蓄積(最近は睡眠負債といいますね)は子どもの精神的耐性に影響をあたえます。イライラ感、不機嫌、忍耐力の低下、注意や集中力の持続が困難などが現れやすくなります。

 

では、睡眠不足がASD/ADHDの子どものにどのような影響をあたえるのでしょうか?いまのところ睡眠不足が発達障害につながるということはないようですが。。。
睡眠問題をもつASD/ADHDの子どもたちは
「社会的コミュニケーション」
「強迫症状」
「こだわり問題」
を起こしやすいというデータはあります。
睡眠時無呼吸症候群やレストレスレッグス症候群、周期性四肢運動障害など自覚症状のない睡眠障害を治療したところ発達障害の症状が改善したとの報告もあります。

閉塞性睡眠時無呼吸症候群と診断された5歳のASD患者が、原因となっているアデノイド口蓋扁桃炎を摘出した結果、睡眠状態の改善にくわえて、社会コミュニケーション、感覚刺激に対する過敏さ、反復行動などのASD症状も改善した.。

Malow B A,et al:Impact of treating sleep apnea in a child with autism spectrum disorder. Pediatr Neurol 34:325-328,2006

子どもの睡眠と生体リズムと生活習慣

最後に子どもの睡眠習慣についてふれておくとします。子どもの睡眠の長さは成長とともに変化します。一般的に生後から思春期にかけて徐々に短くなります。一方で、現代は親の働く時間帯、塾や習い事などの影響で子どもの就寝(おやすみの)時間が遅くなる傾向にあります。
 
子どもの睡眠時間は成長とともに自然に短くなるんですが、この生理的睡眠時間の短縮をこえて、環境的睡眠時間の短縮が起きるのが現代です。一方で、睡眠の習慣は個人の体内時計のつくりにより異なります。体内時計の作りは「個人」によりかなり違いがあるため、常識的な睡眠習慣をおしつけてもあまり効果がないでしょう。それどころか睡眠不足を蓄積させることにつながることになります。

 

まとめ

睡眠に悩む発達障害の子どもは多いです。
睡眠不足から

  • 日中の眠気
  • 倦怠感
  • 集中力の低下

などが生じ日常生活に支障がでてくる子どももいます。それがきっかけで不登校なども起きています。
 
発達障害の子どもたちの睡眠問題にはっきりとした原因はまだわかっていませんが、どうやら生体リズム調整作用のあるホルモン「メラトニン」が深く関係あることがわかってきました。
 
一方、脳の短時間覚醒を引き起こす睡眠/覚醒障害である
「睡眠時無呼吸症候群」
「レストレスレッグス症候群」
「周期性四肢運動障害」
などは睡眠の質を低下させる原因です。
本人には無意識な睡眠障害のためなかなか発見できないかもしれませんが、寝ている子どもを観察していると「呼吸がとまる」とか「手足が動く」とか、何らかの症状がでているでしょう。そのようなときは専門機関に相談してみましょう。
 
実際に睡眠と発達障害の因果関係はほとんどわかっていませんが睡眠問題が解決することでASD/ADHDの症状の改善することはわかっています。
*1 Ikeda M, al: Epidemiological study of sleep habits among four-and-a-half-year-old children in Japan. Sleep Med 13:787-794,2012.
*2 FrickeOerkermann L,et al:Prevalence and course of sleep prolems in childhood

 

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